旧耐震基準の建物は耐震性が不十分である可能性があります。
このような建物は、まず、耐震性がどの程度の水準なのかを知り、必要に応じて耐震改修等の措置を講ずる必要があります。
従って、耐震診断は、耐震補強実施を前提に考える必要があります。
メリットは、耐震性が十分な場合は、安心して住み続けること。
また、不十分でも共用部分の改修・補強により改善できる場合には、比較的容易に合意形成を計る事が可能。
デメリットは、階ごとに耐震性を解析するため、「○階の壁・柱が弱い」ということがはっきりした結果、特定住戸の資産価値に影響する可能性があり。専有部分や専用使用部分に影響する改修・補強は、合意形成が難しく、改修・補強を実施できないことが多くあり。
竣工図(構造図)との整合性を確認(共用部分より)柱、梁の断面寸法を採寸し、構造図と照合。鉄筋探査機により、鉄筋の配筋と本数を確認(非破壊検査。各階、柱、梁各4~5箇所のサンプル調査)。
コンクリート打ち放し面は、シュミットハンマーにより、反発試験を行い、コンクリート強度を測定します(非破壊試験)
コンクリートコアサンプルを採取し、コンクリート圧縮強度と中性化試験を実施(コンクリートコアは直径8cmで壁を貫通させずに採取します)。圧縮強度試験及び中性化試験、塩化物試験は、試験機関に委託し実施します。
コア採取箇所の復旧は、無収縮モルタル+塗装(部分的な補修塗り)とし、大規模修繕時に再度きれいに仕上げることになります。
※各棟各階3箇所のコアサンプルによる圧縮強度試験は耐震診断補助金申請の要件。
準備計算~一次診断、二次診断により、構造耐震指標(建物の強さと粘り強さ・形状・劣化度を元に算定)、累積強度指標(最低限必要な頑丈さ)により、耐震性を判定します。
二次診断を行うことにより、どの階のどの柱、壁の補強をすればよいかということがはっきりします。その結果、資産価値に影響する可能性もあります。その可能性を皆様が認識した上で、耐震診断を行うことが重要です。
第三者機関に、診断の評価を受けることが、板橋区診断補助金申請の条件となります。
耐震補強(一案)の策定(基本計画図の作成)、概算見積の算出し、補強・改修方針を提案いたします。
耐震診断の結果により、耐震補強実施設計内容が変わるため、実施設計は別途業務となります。
耐震診断結果概要報告書を作成し、皆様に配布の上、報告会を開催する予定です。