一級建築士事務所・イントロン

建築系(塗装・防水等)業務の流れ

「建物調査診断業務」の場合の行程です。案件により行程が異なる場合がありますが、ご参考までにご確認ください。また、手順や進行の仕方に不明点や疑問点などがありましたら、ご遠慮なくお問い合わせください。

建物診断、実務設計コンサルティング、工事管理 建物診断 診断 実務設計コンサルティング 工事管理

STEP-1 建物調査業務

1. 事前準備(全体工程表作成、竣工図書・修繕歴読込み把握)

工程表建物調査診断は、全体スケジュール(大規模修繕に向けたスキーム)をご提示し、作業に入ります。
設計図書・修繕歴の読み込みは、大規模修繕工事を計画する上で重要なデータとなり調査診断の際、建物把握のため重要なポイントとなります。

2. アンケート調査(不具合・改良部位抽出アンケート)

アンケート調査居住者でなくてはわからないバルコニー等、不具合箇所の確認を行わせて頂くのと同時に、大規模修繕実施に当たり改修をご希望される部分の抽出等を行います。
これら作業は、大規模修繕施工範囲、内容を検討する上で重要なデータとなります。

3. 現地確認調査

(1)共用部調査

共有部調査修繕設計を行うに当たり、目視調査(クラック・鉄筋爆裂・シーリング及び防水劣化状況など)、テストハンマーなどによる打検(手の届く範囲)、を中心に建物の劣化状況を現地確認させていただき、設計図書との照合も行い、構造的な特徴や各部位の納まり等の確認を行い、適切な改修仕様の選定を行う基礎と致します。

(2)専有部立入り調査

専有部立ち入りのご協力を頂き、バルコニー状況の確認、劣化状況の把握をさせて頂きます。

4. 機械調査

機器による物性試験を行い、客観的な物性データーを取得します。

機械調査1.塗膜付着力試験
2.コンクリート中性化試験
3.タイル付着力試験
4.シーリング物性試験
5.コンクリート非破壊強度試験
6.鉄筋探査試験

※コンクリート非破壊強度試験、鉄筋探査試験は、自社に測定器があるため無償対応(必要に応じて実施)可能。

STEP-2 建物調査診断・基本設計業務

5. 改修仕様・修繕必要箇所の検討

仕様検討資料ステップ-1~4の作業をまとめ、改修仕様の特徴や、必要箇所、必要度合いを評価する資料を作成、皆様との検討、お打ち合わせをさせていただきます。
改修方法複数ある場合は、特徴を説明の上、イニシャルコスト並びに長期的な改修サイクルの得失を含めてご提案します。

6. 基本設計(共通仕様書(案)の作成)

共通仕様種前段(5.)でのお打ち合わせを基に、共通仕様書(案)の作成を行い、図面だけでは表現できない工事仕様、作業手順や住みながら行うマンション改修工事の特殊性に対する注意事項などを表記し、より厳密な取り決めを行うための資料(仕様書)としてまとめます。

7. 工事数量表・設計見積り作成(工事提案概算金額)

設計見積り設計図書をベースに施工数量を確定、設計見積を作成します。
設計図書は、数量表の根拠となる資料で、施工者が現地と設計図書を比較・確認した上で見積もりを提出することになり、工事進行中に根拠のない追加金額等に関して、根拠のない費用はなくなります。
数量表・設計見積もりの作成。 長期改修計画へのフイードバックを行い、今回の資金計画を確認。

▲設計図書・標準仕様書・数量表(積算書)を作成し、施工会社選定を行うことで初めて共通の土台で適正な会社選定が可能になります。

8. 報告書の作成、全体説明会

工事監理報告書報告書の作成:現場調査に基づき、各部位の状況を報告。劣化状況に関しての所見、今後の改修仕様を提案します。
診断報告会:全戸を対象とした報告会を開催します(スライド使用)。概算予算の提示。質疑応答。
ステップ-1~7の内容を取り纏め、報告書(スライド資料)の作成を行い区分所有者の皆様全員に配布させていただきます。

9. 建物劣化状況、工事範囲・改修仕様説明会の開催

報告書に基づき、建物の劣化状況、工事範囲・改修仕様の内容を組合員の皆様にご報告・ご説明させていただきます。
本説明会は、皆様の資産である建物の現状に対して何故改修が必要か、どの様な改修方法を採用するのか等、建物に対するご理解を深めていただくのと同時に、工事概算予算を勘案した資金計画確認のための重要な機会となります。

STEP-3 実施設計コンサルティング

10. 工事範囲図の作成・仕様書の補正(修繕部位確認)

範囲図施工会社との厳密な取り決めを行うために設計図書を作成します。 施工範囲の取り決めが正確に行えるため工事に入ってからの金額増減も厳密に対応できます。 また、修繕必要度合いの見直し、貴管理組合の要望を反映した工事対象部位の確定を行い、工事範囲図に反映いたします。 竣工図を利用し、マーキング等による改修部位・範囲の指示図を作成します。 (部分詳細図・工事範囲図の作成)

施工範囲・部位施工方法の確定。
設計図書をベースとした施工数量の確定。
設計図書をベースとした部位別保証年数の確定。

11. 施工会社選定補助業務:一次審査(書類審査)

会社比較組合員の皆様からの推薦や新聞公募により広く施工会社の公募を行い、工事見積もり参加会社を公募等により募集します。
一次審査として業況・会社規模・工事実績等を分析検討し、見積もり取得会社の絞り込みを行います。
また、経営規模等審査結果通知書、財務諸表等の資料を基に客観的な資料比較資料を作成します。

・一次審査資料作成(申込み書類に基づき比較表を作成)

12. 施工会社選定補助業務:二次審査(見積もり審査)

見積り比較一次審査を通過した施工会社を対象に実際の積算を行っていただきます。
積算を行う前に、今回工事の工期・工区、支払条件等を明記した見積要項を作成し、実際の見積もりを提出して頂く際の条件設定を行います。(管理組合様との協議による) 提出された見積もりに関しては、設計図書・数量表に基づき詳細項目の分析を行います。
・見積要項・設計図書等の作成配布(図渡し)
・工事会社への現場説明
・積算に関する質疑応答
→1社から提出された質疑・回答は全ての会社に通知されます。
・提出見積内容の検討
→見積比較チャートの作成・見積内容検討資料の作成
・見積内容のヒアリング

13. 施工会社選定補助業務:三次審査(ヒアリング)

ヒアリング工事見積もり参加会社を公募等により募集。
一次審査として会社規模・工事実績等を分析検討します。
経営規模等審査結果通知書、財務諸表等の資料を基に客観的な資料比較資料を作成します。
二次審査で選出された2~3社を対象にヒアリング(面接)を行います。
面接では、実際の現場代理人等の出席を施工会社に依頼、今回の工事に関するプレゼンテーションとヒアリングを行います。
▲ヒアリングの際には、施工会社に実際の現場代理人等の出席を依頼し、今回工事に関するプレゼンテーションとヒアリングを行います。
通常、ヒアリングを行った後に施工予定会社が1社選出され、総会等で承認後、工事契約に進みます。

・ヒアリング立会・助言
・ヒアリングのポイント等資料の作成

14. 工事請負契約書等内容の確認

総会で承認された施工会社と契約を結ぶ際に契約書に添付される見積書・図面等を、この間の作業に照らし合わせて確認します。
総会で承認された施工会社と契約を結ぶ際、契約書に添付される見積書・図面等を確認します。
「契約書の内容で設計図書の通りに工事が実施できるか。工事後の保証は仕様の通りか」等を確認・助言します。
▲大規模改修工事専用の工事請負約款がないため、「瑕疵の保証」「工期」「部分使用」「引渡」などの項目に関して、大規模改修工事用の特記を明記します。

STEP-4 工事監理

15. 工事監理

工事監理工事契約内容に基づき現場の施工が設計図書・仕様書通りに行われているかを監理いたします。 (週1回程度の重点監理をベースに月1回程度貴管理組合にご報告致します)

工事管理の目的
1. 設計仕様のとおりに施工がなされているか。
2. 仕様通りの施工ができない場合、設計変更の提案と管理組合への報告。
3. 実数精算(増減工事)※1の確認と管理組合への報告。
4. 住みながらの工事ということの徹底。

▲※1 実数精算項目(増減工事)
調査設計の段階では、数量が確定できない項目については、一般的に実数精算になります。
・週1回程度の重点監理(工事監理・打ち合わせ)。
・工事説明会(施工者実施)の指示・補助。
・色彩計画の提案。
・組合員・居住者からの要望等検討。
・工事仮設計画についての助言。
・現場チェック。
(足場・下地補修・塗装・防水等の重要工程、材料数量等を確認)
・各種工程打ち合わせ。
・下地補修・足場解体前・竣工検査。
・実数精算項目の確定、変更等の対応・確認・ご報告。
・工事説明会、理事会説明への出席。
・月1回程度の定例会議(理事会・委員会)への出席。
・工事進捗、問題点、変更、実数精算項目の確定、報告。
・施工図等の検討、確認。
・工事監理報告書の作成。
・工事完成図書の確認

施工者が提出する工事完成図書の内容確認。特に保証・アフター点検内容について確認します。

※工事後の1年点検。
点検の主体は施工会社となりますが、監理者として定期点検に同行、状況を確認し不具合があれば手直し等の打ち合わせ・指示を行います。

※大規模修繕工事専用の工事請負約款がないため、「瑕疵の保証」「工期」「部分使用」などの項目に関して、大規模修繕工事用の特記を明記します。
※契約書は、施工会社公募から見積もり取得最終審査での質疑応答書まで全ての書類が添付されます。